皆さんは血液濾過透析HDFについてご存知でしょうか。
HDF(血液濾過透析)とは
1.血液透析(HD)の小分子量物質、血液濾過(HF)の中分子量物質を取り除く両方の機能の良さを組み合わせたもの
2.血液透析(HD)に、極めて清浄な20~80Lの透析液による大量補液(透析液を体に補う事)をしながら血液濾過を付け加えた、体に負担の少ない生理的な治療法
HDFのメリット
1.HDFは、HDよりも大きな分子量の老廃物を効率よく除去できるため、透析アミロイドーシスなどの合併症の原因となるβ2-MGや他の老廃物をHD(血液透析)よりもよく取り除ける
2.透析中の血圧が下がりにくくなることや心臓への負担が血液透析よりも小さいことなどです。
β2-MGとは
β2-マイクログロブリンの略で、全身の骨や関節に沈着して透析アミロイド症(アミロイド骨関節症、手根管症候群など)を引き起こす原因物質です。
HDFのデメリット
1.HDFでは、老廃物だけでなく、アルブミンなどの体にとって重要なタンパク質も一緒に濾過されてしまう可能性があります
アルブミンが不足すると
栄養素が体内に運ばれにくくなり、栄養不足の状態になる可能性があります(体内の栄養状態の指標となります。)
アルブミンは免疫機能にも関与しているため免疫力の低下し感染症にかかりやすくなる可能性があります
2.HDは拡散という原理で小さな分子を効率的に除去しますが、HDFは主に濾過という原理で大きな分子を除去するため、小さな分子の除去効率はHDに比べて劣る場合があります。
いずれにしてもHDF(血液濾過透析)には適応条件があります。
主治医とよくご相談、ご検討されてください。