透析患者のシャントトラブル 2

健康

人工血管について

人工透析治療が長期になると、血管が細くなったり硬くなったりして、透析用の血管として使うことができなくなることがあります。そこで、人工血管を腕や脚に埋め込み、血液透析を行うための血管として利用します

人工血管には、大きく分けて以下の2つの種類があります
生体由来人工血管や、合成ポリマー血管ほかにも複数ありますが、代表的なものを上げさせてもらいます。

1.e-PTFE(膨張ポリテトラフルオロエチレン)製人工血管

e-PTFE人工血管の特徴

1.耐久性が高い: 長期間使用しても変形しにくく、耐久性に優れています。

2.生体適合性が高い: 体内に埋め込んでも拒絶反応が起こりにくい素材です。

3.血栓ができにくい: 表面が滑らかで、血小板が付きにくいため、血栓が形成されにくいという特徴があります。

2.ポリウレタン樹脂製人工血管

ポリウレタン製人工血管の特徴

1.柔軟性: 体内の血管に馴染みやすく、手術時の取り扱いが容易です。

2.生体適合性: 生体組織との親和性が高く、体内に埋め込んでも拒絶反応が起こりにくいという特徴があります。

3.耐久性: 長期間使用しても変形しにくく、耐久性に優れています。

4.血栓形成が少ない: 表面が滑らかで、血小板が付きにくいため、血栓が形成されにくいという特徴があります。

このように人工血管は、患者の年齢、疾患の種類、損傷の程度、手術部位など、様々な要因を考慮して選択されます。

私自身も、人工血管に三十数年間お世話になりました。長期にわたる使用の影響で閉塞や血管の硬化等ありましたが一番の理由は、透析終了後の穿刺部が塞がらなくなり潰瘍状態となり医師から感染のリスクがあると言われ、右腕人工血管の抜去術を行い新たに左腕に埋め込み手術を行いました。

 人工血管抜去術後の右腕




  左腕に埋め込んだ人工血管

ご覧のように人工血管が大きく浮き出していますが、この血管は私たちの命の綱です。
人目に付くのが憚られると思う方も当然いらっしゃるでしょう。
しかし、その感覚も段々と薄れていき、むしろ愛しく大切なものという気持ちが大きくなると思います。

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